孤独死と孤立死の違い
2023/02/02
孤立死とは
近年、高齢者の孤独死が問題になっています。
その言い方からして、一人寂しく、孤独に亡くなっていく人のことだろうなと考えている人が多いのではないでしょうか。 一方で、孤立死という言い方がされることがあります。
どちらも誰にも看取られずに一人で亡くなったことには違いありませんが、なぜ孤独死と孤立死の二つの言葉があるのか、どのように使い分けるのかをはっきりと理解している人は少ないでしょう。
それだけ今の世の中、若い世代の高齢者世代に対する関心が薄れていると言えるのかもしれません。子は成人して結婚することになれば、当たり前のように親元を出て別に世帯を持ちます。 家を出ることで親との関係が必ず疎遠になるとは限りませんが、一緒に住むよりは明らかに距離が生まれます。
結果的に親との交流が少なくなり、高齢者側にも交流する意思がなくなるということも珍しくありません。
子どもだけではなく、ご近所とのおつきあいもせず、自分だけの世界に閉じこもって暮らした結果、死を迎えても誰にも死亡したという事実を知られないままになってしまうのが、孤立死です。
孤独死とは
一方の孤独死はというと、高齢者が持病を原因として自然死した際に、誰にも看取られることなく亡くなった状態のことを言います。
一緒に暮らしていなくても、たまには子が顔を見せに来たり、ご近所さんとのお付き合いがあるかもしれません。
そうした人たちによって発見される可能性がある人の場合、その人は死の際に看取られる人がおらず孤独だっただけで、孤立していたというわけではないというとらえ方になります。
まったく社会と接点がなく、誰とも人付き合いをしていない場合の死は、孤立しています。
一方、社会との接点はあるけれども、亡くなる時には残念ながら一人の状態だったというのが孤独です。
どちらの死も一人で迎えるという点では寂しいものがありますが、両者の違いをはっきりと識別することができれば、できることなら孤立よりも孤独の方がまだいいと思えてくるのではないでしょうか。